東大への申し入れ、文科省からの聞き取り、現地調査
東京都文京区にある小石川植物園(東京大学大学院理学系研究科付属植物園)の外周の万年塀の改修を求める声が地域で広がっています。塀はかなり老朽化しており、「地震に対し安全なものに」「景観上も植物園内が見渡せるものにならないか」などというものです。
この問題で、2月2日に小竹ひろ子都議、島元雅夫文京区議、笠井亮議員秘書、東京事務所員が文部科学省から状況や対応について聞き取り。同4日には小竹都議、島元区議、東京事務所員が地域住民と植物園を自転車で一周しながらあらためて状況を調査。同8日には、田村智子参院東京選挙区予定候補、小竹都議、島元区議、こうだ久美子文京区議、東京事務所員が住民とともに、東京大学に対し、塀の改修を申し入れました(写真)。
東大への申し入れ書は次の通りです。
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東京大学総長 小宮山 宏 様
2006年2月8日
日本共産党都議会議員 小竹ひろ子
日本共産党文京区議会議員団
いわゆる「小石川植物園万年塀」の安全確保と景観に関する要望
日頃より貴職のご活躍に敬意を表します。
小石川植物園は、東京大学理学部付属の植物園としての世界有数の高い評価にとどまらず、植物園が持つ歴史と機能、四季折々の花や多くの草木の織りなす緑深い自然のやすらぎが、人々の心を捉え、愛されてきました。また16・8万平方メートルの広さを有する植物園は、戦前は戦火に惑う多くの尊い人命を救い、現在も大地震など災害時に、3万人を超える人々の生命を守る広域避難場所としての役割を担うなど、私どもにとっては、ますます大切なスペースとなっています。
それだけに、いわゆる「小石川植物園万年塀」の耐震性、安全性、景観等にたいする近隣住民の関心は非常に高いものがあります。
私どもは、2月4日改めて万年塀の全外周を調査してみました。特に国の重要文化財に指定されている「旧東京医学校本館」付近など数ヶ所あるブロック塀、網干坂から白山4丁目にかけて老朽化や劣化、痛みが随所に認められる万年塀対策は、東京直下型地震が想定される今日、このまま放置できないと判断されます。
もとより貴職が、御殿坂側万年塀の改修をはじめ、折に触れ危険箇所の部分的な改修を行ってきたことは承知しておりますが、昨今の耐震性、安全性など防災対策の立場から、以下の点について要望し、一刻も早い実現を求めるものです。
要 望 事 項
1 東京直下型地震対策の立場から、この間改修された御殿坂側の万年塀の下部を含む「小石川植物園万年塀」全周の耐震性、安全性について、改めて点検・確認し、その結果を広く住民に周知してください。
2 万年塀の計画的な改修を進めてください。全体改修計画及び実施計画を併せて策定し、その計画進行状況を絶えず住民に周知してください。
3 計画策定には、文京区景観条例に基づく区との事前協議を重視し、植物園と周辺の貴重な景観資源である「坂」と「緑」と「史跡」を生かした景観づくりへのご尽力を要望いたします。
4 改修経費については、耐震・防災対策の緊急性に鑑み、一人国立大学法人東京大学の経費負担に止まらず、別途文部科学省に予算確保を要求すべきです。
5 万年塀の改修に当たっては、旧東京医学校本館付近のブロック塀を含むエリアからの改修が緊要ですが、その際も区との景観事前協議を重視し、御殿坂側のように、植物園の中が見渡せ、広がりのある塀改修になるよう、要望いたします。
以上