大飯再稼働許すな 官邸1万人包囲
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐって、野田佳彦首相は16日に西川一誠福井県知事を交え、関係閣僚会合を開き、最終決定しようとしています。こうした緊迫した情勢のなか、15日、東京・永田町の首相官邸前や大阪、福井など各地で「再稼働を許すな」「首相は国民の声を聞け」と、思い思いのゼッケンやプラカードなどを持ち寄った人たちが抗議と怒りの声を上げました。
笠井・宮本氏参加
首相官邸前には市民約1万1000人が集まりました。首都圏反原発連合の有志が呼びかけたもの。
午後6時からの予定でしたが、開始1時間前から、地下鉄の地上出口から途切れることなく続々と集まり始めます。人の列は、官邸前から200メートルほどとなり、車道にコーンを並べ、臨時の歩道をつくるほど。「再稼働反対!」のシュプレヒコールがあちこちで、自主的におこりました。
都内に住む15歳の少年がハンドマイクを握り「僕はまだ選挙権がないから政治に参加できません。でも、原発の負の遺産を将来背負うのは僕たちです。人の命と経済どちらが大切なんですか」と訴えます。「子どもを守ろう」「地球を守ろう」「再稼働反対」と声をあげると、ほかの参加者たちも続き、大きなコールとなりました。
フリスビーに「原発いらぬ!」と書いて掲げる男性(23)=東京都大田区=は「首相は自分の責任で(再稼働を)やるなんていってたけど、政治家一人でとれる責任なんかじゃない。福島の事故の責任さえまだ誰もとっていない。絶対に阻止します」と話しました。
初めて参加したという女性(20)=埼玉県ふじみ野市=は「心の中では再稼働に反対していても、なんとなくニュースを見ているだけでした。でも今日は、いても立ってもいられず参加しました。再稼働に絶対反対です」と話しました。
日本共産党からは笠井亮衆院議員、宮本徹衆院東京比例予定候補が駆けつけ、笠井議員がマイクで訴えました。
(「しんぶん赤旗」6月16日付より)