消費税に頼らない道こそ真剣に探求すべき
日本共産党の笠井亮政策委員長代理は25日のNHK「日曜討論」で、野田佳彦首相が月内の閣議決定と国会提出を目指す消費税増税法案について「断念すべきだ」と要求しました。
民主党内で焦点となっている同法案付則の「景気条項」の議論について笠井氏は、「消費税増税は、暮らしも経済も財政も破綻させる道。民主党の議論ではその根本が見えない。1997年に5%へ増税された時も景気が一気にどん底になった。『景気条項』を設ける議論自体が、増税が景気に影響すると認めたことであり、ごまかしだ」と批判しました。
10%から先の再引き上げをねらう「追加増税条項」について笠井氏は、「際限のない増税への道だ。消費税に頼らずに社会保障も拡充し財政危機も打開する道を真剣に探求すべきだ」と指摘。日本共産党の提言にふれて、「増税するなら、まず富裕層や大企業に応分の負担を求めるべきだ。野田首相は、『これから検討する』といって、出してくるのは消費税増税。13・5兆円の負担が国民にかかってくるわけで逆立ちだ」と批判しました。
税金のムダ遣いや政党助成金にメスを入れ、さらに社会保障を充実するのであれば、国民が負担能力に応じて担う税制改正で対応することが必要だと述べました。
民主党の前原誠司政調会長は、法人税は下げ、所得税は減っていくと説明し、今後、消費税を中心的な税にしていく考えを示しました。
これに対し笠井氏は、「消費税を増税することで景気が悪化し税収も減る。法人税も引き下げ競争をやったらますます借金が増えるだけだ」と反論しました。
経済成長のために重要なことは「内需と家計を温めるのが一番のポイント」と述べ、正社員が当たり前、暮らしていける賃金、大企業と中小企業の公正な取引などのルールをつくるべきだと強調しました。
自公両党は「民主党内をまとめろ」「社会保障の議論がおざなりだ」などと手続きを問題にするだけでした。(「しんぶん赤旗」2012年3月26日付)