これまでの「日米合意は破綻」
19日、NHK「日曜討論」で、米軍普天間基地「移設」と在沖縄米海兵隊のグアム移転を切り離して進めるとの日米合意について、普天間基地返還を新基地建設の条件付きとしたこれまでのやり方が破綻したものだと述べ、普天間基地の無条件撤去をアメリカに堂々と主張すべきだと強調しました。
番組で民主党の前原誠司政策調査会長は、今回の日米合意について海兵隊員4700人のグアム「移転」、嘉手納以南の5基地返還など沖縄の負担軽減につながるものであり「もっと評価していただいてもよい」と述べるとともに、「辺野古『移設』の方針は変わっていない」と強調しました。
笠井氏は、今回の日米合意の一番の問題は、「オール沖縄」で反対してきた普天間基地の県内「移設」が「唯一の有効な進め方」といまだに言っていることだと指摘。同時に、今回の切り離し合意はこれまでの枠組みの破綻であり、「沖縄県民の新基地建設を許さないというたたかいの成果だ」と語りました。その上で、約40年前に返還合意された那覇軍港があれこれの条件をつけていまだに返還されていない事実を示し、「嘉手納以南の5基地が返還される保証はどこにもない」と、「負担軽減」論のごまかしを批判しました。
また、民主党政権に代わってもアメリカの世界戦略に従って沖縄県民に新基地を押しつける論理はまったく変わっていないと指摘。「沖縄の基地は(米軍が)力ずくで奪った土地に造ったわけだから、これまでの日米合意が破綻した以上、米軍再編計画は撤回し、アメリカに対して普天間基地の無条件返還で交渉すべきだ」と主張しました。
自民党の茂木敏充政務調査会長は「グアム『移転』との分離はいいが、普天間『固定化』は避けなければならない」と述べ、野田首相が県民に「県外・国外移設」論をめぐる混迷を謝罪するなどして、普天間「移設」を推進するよう求めました。
(「しんぶん赤旗」2012年2月20日付)