松本外相 外務委員会で答弁
松本剛明外相は11日、菅直人首相が6月までに判断するとしていたTPP(環太平洋連携協定)交渉参加の是非について、「未曽有の大震災を受け、(TPP交渉に関した)さまざまな作業が3、4月に行われなかったことは事実。それを受け、今後の作業をしていく」と述べ、結論を先送りする方向を明らかにしました。衆院外務委員会での日本共産党の笠井亮議員に対する答弁。
笠井氏は、「東日本大震災から2カ月を経た今も、被災者の生活再建や地域社会・経済の再建はめどがたっていない」と指摘。「TPP交渉参加について、従来の政府方針は大震災を受け判断を先送りするということか」と質問しました。
篠原孝農林水産副大臣は、「(大震災が起きた)3月11日で事情が変わった。明確に(結論)延期の決定はしていないが、被災された農漁業者の心情を考えると、TPPというようなことを今、言う段階ではない。まずは復旧・復興に全力をあげることで政府内で検討している」と答えました。笠井氏は、「(TPP参加をめぐる)方針は根本から見直し、撤回をして大震災の復旧・復興に全力をあげるべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗/2011年5月12日より)
◆審議録(bt_20110920121428.pdf)
衆院外務委員会=日本・インドEPA可決 笠井議員審議で「反対」を表明
衆院本会議は12日、日本・インドEPA(包括的経済連携)協定を賛成多数で可決し参院に送付しました。日本共産党は反対しました。
11日の衆院外務委員会で日本共産党の笠井亮議員は、同協定締結で日本の多国籍企業がASEAN(東南アジア諸国連合)諸国、インドとの間で自由貿易網を手にすることになると指摘。繊維などの品目が軒並み関税撤廃されることにもふれ、「日本国内における下請け・中小零細企業に対し、新たな選別と経営上の苦難をもたらす」ことになると強調しました。さらに、東日本大震災による被害が甚大なもと、「さらなる自由化は日本の農林水産業の将来を脅かすことになる」とも主張。
松本剛明外相は「企業の生産拠点が拡大する」などと弁明。笠井氏は「フィリピンやベトナム、ASEANとのEPAでも中小零細企業が取り残された」と指摘し、政府の見通しは「楽観的すぎる」と批判しました。
笠井氏はまた、投資家が不利益を被った場合、締結相手国を訴えることを可能にする「紛争解決規定」が盛り込まれており、政府が訴えられることを恐れ国民の生活と安全を守る規制強化をためらう可能性があると指摘しました。
衆院本会議は12日、日本・ブラジル社会保保障協定、日本・スイス社会保障協定をそれぞれ全会一致で可決しました。(しんぶん赤旗/2011年5月13日より)