NPT再検討会議の「国際公約」違反する
日本共産党の笠井亮議員は25日、衆院外務委員会で、米国が昨年11月と今年3月、プルトニウムを使用した新型の核実験を行ったことに対し、「被爆国の政府として米国政府に抗議すべきだ」と求めました。
笠井氏は、今回の実験は昨年9月の未臨界核実験に続き実施されたもので、「昨年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議で合意された『自国の核兵器の完全廃絶のための核保有国の明確な約束』との国際公約にも反し、オバマ大統領自身の『核兵器のない世界』の追求という言明にも反するものだ」と主張。「世界に約束した『核兵器のない世界』に向けた実効ある行動をとれと迫るべきだ」と主張しました。
松本剛明外相は「爆発を伴わず、安全性と有効性を維持するものと承知している。NPT会合の成果ともわが国の立場とも矛盾しない」と答弁。笠井氏は、核爆発を伴わなくても今後の核兵器使用と配備の継続を保証するもので「核のない世界」とは矛盾すると主張。実験に対し、広島の被爆者はじめ広島市長、長崎市長、長崎県知事が抗議したことをあげ、外相の答弁を「被爆国の政府として情けない限りだ」と批判しました。
笠井氏はまた、昨年秋の国連総会では133カ国の賛成で核兵器禁止条約にむけた交渉開始をもとめる決議(マレーシア提案)が採択されたが、なぜ日本政府が棄権にまわったのかと質問しました。
松本外相は「核兵器のない世界にむけた適切な形として賛成するものではないと判断した」と答弁。笠井氏は、核兵器禁止条約の交渉開始にむけ日本が役割を果たすことこそ求められると強調しました。(しんぶん赤旗/2011年5月26日より)
◆審議録(PDF/bt_20110530120154.pdf)