「負担軽減」に逆行 笠井議員が追及
「普天間基地周辺住民と沖縄県民に新たな負担を押し付けることになる」―13日の衆院予算委員会で、日本共産党の笠井亮議員は、米国が「移転」するはずの沖縄県・米軍普天間基地を増強し、垂直離着陸機MV22オスプレイ配備計画を進めている問題を取り上げ、米国にたいし計画撤回を求めるよう政府に迫りました。
笠井氏が示した増強計画は、米海兵隊が公表した「2011会計年度の航空機配備計画」。(1)「普天間代替施設」の建設が遅れたり中止になった場合、オスプレイ部隊配備などのため普天間基地に新たな施設を建設する(2)普天間基地が「最終的に閉鎖され代替施設に移るまで100%の運用可能が求められる」―と明記されています。
笠井氏は、「アメリカ側は、名護市辺野古への『移設』という日米合意の実行を求める一方、普天間を継続的に使用し、オスプレイ配備のための新たな施設建設を行い、辺野古が建設されるまで運用しようとしている」と迫りました。 (資料①bt_20101014135010.pdf)
普天間基地で2012年からオスプレイを配備・運用
北沢俊美防衛相は、「あくまでも米海兵隊の計画で、国防総省が認めたわけでない」としながら「(日米の)事務方の協議で議題になっているのは事実」とも述べました。
笠井氏はさらに、普天間基地に配備されている中型ヘリ2中隊が、12年と13年にカリフォルニア州ミラマー基地所属のオスプレイ中隊と交代し、普天間基地または「普天間代替施設」にオスプレイ飛行訓練装置を設置することが同計画に明記されていることを示し、「2012年からオスプレイを普天間基地に配備、運用することになる」と追及しました。
我慢しているのは沖縄県民だ
◆北沢防衛大臣:「海兵隊が我慢してきたもの」
〇笠井議員:「我慢しているのは沖縄県民だ」
北沢防衛相は、海兵隊の「配備計画」は、普天間基地の「移設」が進まない中「海兵隊が我慢してきたもの」などと発言。さらに、そうした事態にならないために「2014年をめざし代替施設建設にむけ最大限努力する」と述べるだけで、普天間基地の増強計画を否定できませんでした。
「我慢しているのは海兵隊ではなく沖縄県民だ」―こう指摘した笠井氏は、オスプレイが▽ヘリコプターよりはるかに巨大な高速強襲輸送機▽不安定な構造のため相次いで事故を起こしている▽騒音の増大が懸念されている―“問題機”である事実を示し、「沖縄県民は『世界一危険な普天間基地』の危険性がますます高まることに恐怖を感じている。『基地負担と危険の軽減』をいうが、これは負担の増強ではないのか」と指摘。「危険だ、やめろと、アメリカにしっかり言うべきだ。そのことを申し上げたい」と主張しました。 (資料①-オスプレイ/PDFbt_20101014155733.jpg 資料②オスプレイの普天間基地配備計画/PDFbt_20101014155813.jpg)
(しんぶん赤旗/2010年10月14日より)
◆速記録(bt_20110920082533.pdf)