「朝鮮王朝儀軌」返還問題などで
16日から韓国を訪問している日本共産党の笠井亮衆院議員は17日、ソウルで「朝鮮王朝儀軌(ぎき)」の返還問題などについて韓国与野党議員と懇談しました。訪韓は韓国の民間団体「朝鮮王室儀軌還収委員会」の招待によるものです。
笠井氏は、李海鳳(イ・ヘボン)議員(ハンナラ党全国委員会議長)との懇談で、「『韓国併合』100年に当たる今年、日本政府の意思として儀軌などを韓国側に引き渡す方針が菅直人首相の談話で表明された」と指摘。「文化財は原産国へ」という国連教育科学文化機関(ユネスコ)条約の精神にのっとり、儀軌を出発点として貴重な文化財が韓国に返還されることを願っていると語りました。
李氏は「(首相談話で)儀軌などの問題が具体的に言及されたことは大きな進歩だ」と述べ、文化財返還が「(日韓関係の)流れを良い方向に変える契機になると思う」と語りました。
笠井氏は、李貞鉉(イ・ジョンヒョン=ハンナラ党)、金富謙(キム・ブギョム=民主党)、崔文洵(チェ・ムンスン=同)、朴宣映(パク・ソニョン=自由先進党)、趙承洙(チョ・スンス=進歩新党)の各議員とも、儀軌などの文化財返還や、「併合」100年に当たって21世紀の日韓友好の発展を目指す課題について意見交換しました。
懇談後、笠井氏は崔宰誠(チェ・ジェソン=民主党)議員の案内で、1895年に日本公使の指示により日本の暴徒に暗殺された明成皇后(閔妃)の墓所である洪陵を訪れました。