岡田外相=「合理性があるかどうか米側と話し合う」
日本共産党の笠井亮議員は26日、衆院外務委員会で、米軍関係受刑者(男性=横須賀刑務所、女性=栃木刑務所にそれぞれ収監)に対する食事などの特別扱いを取り上げ、その根拠である日米間の「密約」ともいうべき合意事項の開示と廃上を政府に迫りました。岡田克也外相は、「(特別扱いを)国民に対し説明できる範囲にとどめるため努力する」と述べました。
笠井氏は、1997年の国会で、食料の補充をはじめ、シャワーの使用や暖房などで著しく優遇されていることが問題になったににもかかわらずいまだに米軍からの「補充食料」の配給が続いており、その根拠には、日米地位協定第17条の「刑事裁判権」の合意事項があると指摘。その内容が法務省の「合衆国軍隊構成員に対する刑事裁判関係実務資料」(2002年版)のスミ塗り部分に記載されているはずだと迫りました。
法務省の中村哲治政務官は、「日米両国間の言語および習慣の相違に適切な考慮を払う」という合意があるなどとしながら、公開について米側の了解がないとして、内容は明らかにしませんでした。
笠井氏は、同資料の1972年版には、2002年版のスミ塗りと同じ個所に、「(米軍関係者が)自己の意思で日本国に入国したのでない」から、食事について「配慮」すべきだなどと、到底正当とはいえない理由が記されていると指摘しました。
その上で、旧政権でさえ「最終的には廃止することが望ましい」(森山真弓法相=2002年当時)と答弁していたことも示しました。岡田外相は、「はたして合理的な理由があるのかどうかが問われなければならない」「(米側と)よく話し合いたい」と述べました。
◆審議録(PDF/bt_20100430121903.pdf)