障害者総合福祉法制定にむけて意見交換
日本共産党国会議員団・障害者の全面参加と平等推進委員会は9日、国会内で障害者や難病の患者団体との懇談会を開き、障害者自立支援法の廃止と障害者権利条約に基づく新たな「障害者総合福祉法」の制定に向けて意見交換をしました。19団体28人が参加し、笠井亮政策委員会副責任者・衆院議員も出席しました。
冒頭、小池晃政策委員長・参院議員が報告に立ち、「障害者自立支援法を一刻も早く廃止させ、難病、発達障害をはじめすべての障害者を対象とした『総合的な障害者福祉法』(仮称)を制定させたい」と表明。新制度は憲法と国連の障害者権利条約に基づくものとし、ヨーロッパ並みに障害者の福祉・医療は無料にすべきことを強調しました。
同時に、ただちに実施すべき緊急対策として、現行法の「応益」負担を廃止することや報酬の「日払い制度」を「月払い制度」に戻すこと、小規模作業所に対する支援を強化することをあげました。
また、雇用、所得保障など障害者施策全体を抜本的に見直す「障害者施策の総合プラン」(仮称)を策定させ、年次計画をたてて推進させることを提案しました。
日本障害者協議会の吉本哲夫副代表が、障害者自立支援法廃止に向けた障害者の共同の取り組みに対する日本共産党の協力に謝意を表明。一人も取りこぼすことのない障害者施策の実施を求めました。
日本難病・疾病団体協議会の坂本秀夫常務理事は「5000とも7000ともいわれる病気のうち、国の難病の研究事業の対象となっているのはわずか130疾患だ」と訴え、すべての難病が対象となるように求めました。
出席者の要望を受けて小池氏は、政府に対して早急に、▽障害者自立支援法の応益負担の廃止▽難病関連の予算の確保・拡充▽子ども手当創設を口実とした税控除廃止の断念▽新制度づくりに幅広い障害者の声を反映させること―などについて申し入れることを表明しました。