技術開発も選定も 国交省OBとゼネコンが推進
衆院予算委員で笠井議員追及
「経済危機対策」として補正予算案に盛り込まれた東京外かく環状道路(外環道)の整備事業に大手ゼネコン役員が多数参加する財団法人が深くかかわっている構図が、八日の衆院予算委員会での日本共産党の笠井亮議員の質問によって明らかになりました。大型公共事業復活の背景に国土交通省と大手ゼネコンの癒着があることを告発した笠井氏は、「ゼネコンによるゼネコンのための事業ではないか」と追及しました。
政府は四月十日に発表した「経済危機対策」で、「国幹会議(国土開発幹線自動車道建設会議)の議を経て外環道等を整備計画に位置付け」と明記。同二十七日の国幹会議は、東京外環道など四区間合計七十一キロの整備計画への格上げを決定しました。(資料①/bt_20090513123627.pdf)
概算事業費総額一兆五千百九十億円のうち、東京外環道(資料②/bt_20090513123707.jpg)は一兆二千八百二十億円の計画です。
笠井氏が取り上げたのは、「先端建設技術センター」の実態。同センターは国交省の専門委員会として外環道のトンネルの実現性を検討してきた「大深度トンネル技術検討委員会(資料③/bt_20090513123817.pdf)の資料作成などを受託しています。
笠井氏が示した「技術センター」の役員・評議員名簿には、国交省のOBや大手ゼネコン、新日鉄、川崎重工などの現職役員などがずらりと名を連ねていました。(資料④/bt_20090513123906.pdf)
笠井氏は、「外環道の施工業者選定の判断基準となる技術開発を、選定する側の国交省の天下りOBと、選定される側のゼネコンが一体で進めている。こんなことが許されるか」と迫りました。
麻生太郎首相は、「その点だけを見ると今の意見もわからんではない」と認めざるをえませんでした。しかし麻生氏は「(外環道は)税金を投入してもやるに値する事業だ」とあくまで推進する姿勢に固執しました。
笠井氏は、「外環道のように、構想以来四十年以上なくても困っていないものより、国民のために今、ないと大変なものこそ優先すべきだ」と強調。廃止された生活保護の母子加算の復活などを求めました。(しんぶん赤旗/2009年5月9日より)
◆論戦ハイライト(別記事参照)
外環道新規整備計画
東京・練馬―世田谷間16キロを結ぶ地下40メートルの深さに直径16メートルのトンネルをつくる計画。概算事業費総額は1兆2820億円。
◆審議録(PDF/bt_20090812152348.pdf)