民主「修正」案もじ政府案と本質同じ
NHK「日曜討論」 笠井氏が指摘
日本共産党の笠井亮衆院議員は十九日、NHK番組「日曜討論」に出席し、政府・与党が連休前の衆院通過を狙う「海賊対処」派兵新法案について、自衛隊による海外での武力行使に道を開く危険性などを指摘し、「徹底審議が必要だ」と強調しました。
番組では、民主党の「修正」案―▽首相を長とする「海賊対処本部」を設置し自衛官を派兵する場合は「海賊対処員」の身分を併有させる▽国会の事前承認―が議論となり、同党の鉢呂吉雄衆院議員は「あす、あさって、与党側と修正協議する」と発言。自民党の山崎拓外交調査会長は「『事前承認』は無理だ」として「修正」を拒否しました。
笠井氏は、民主党の「修正」案について「政府案と本質的な違いはない」と指摘。自衛隊員を「対処員」としても、だれがみても自衛隊であること、武器使用は武力行使につながり、「憲法九条のもとで、できないことをやろうとする点では(民主の『修正』案は)大きな違いのないなかでの話だ」と批判しました。
そのうえで、「ソマリア沖に各国の軍艦がいっているが、それを強めるなかでむしろ海賊事件は増え、地域も広がっている。悪循環になっている状況のなかで、日本もそこに入っていくことになる。そういうやり方では解決しない。ソマリアへの民生支援の問題、あるいは周辺国の警察力の強化ということを日本はやるべきだ」と主張しました。
NHKの世論調査で、「海賊対処」派兵新法案について賛成44%、反対9%の一方、「どちらともいえない」が39%あることが示され、司会者が「国民に理解されていない」と指摘。山崎氏も「周知徹底していないというのは確かにある」と述べました。
笠井氏は「法案がもっている重大な中身が国民に知られていない」と指摘。新法案が、どの国の船舶でも警護できるようにしていることや、違憲性のある「任務遂行のため」の武器使用の拡大などをあげ、「法案審議のなかで重大な問題がたくさん出ている。徹底審議が必要だ」と強調しました。(しんぶん赤旗/2009年4月20日より)(写真は番組で発言する笠井議員=NHKの放送より)