「オール与党」による都民いじめ政治の大転換を
「しんぶん赤旗」4月10日付けより
総選挙とともに、投票日を三カ月後に控えた東京都議選(七月十二日投票)の勝利をめざし、市田忠義書記局長を迎えた日本共産党演説会が九日、墨田区で開かれました。
三月末の全国遊説開始後、市田氏が都議選に向けた演説をするのは初めて。町内会長やお寺の住職、会社社長など、「共産党は怖いと思っていた」初参加の区民も少なくなく、ユーモアをちりばめた市田氏の話に、会場は熱気と笑いに包まれました。
市田氏は、西松建設の違法献金事件、雇用と社会保障など国政の大争点について党の見解・政策を語ったうえで、「国民の暮らし破壊の暴風雨が吹き荒れている時、そこから都民を守る防波堤の役目を果たすのが東京都の仕事」と強調。これに逆行する石原都政と自公民「オール与党」議会の都民いじめぶりを、福祉、教育、乱開発―の角度から明らかにしました。
市田氏は、石原知事が「何がぜいたくかといえばまず福祉」と公言し、予算に占める老人福祉費の割合を一九九九年の全国二位から最下位に転落させ、国保料への補助金を一人あたり七千五百円から八分の一の九百円にしてしまった実態を告発。そのうえで、都の福祉政策は、「福祉の提供はしないから行政に頼らず自立せよ」というものであり、“住民の福祉増進を図ること”が地方自治体の役割とうたう地方自治法に「真っ向から反する」と批判しました。
教育では、他の都道府県では何らかの形で取り組まれている三十人学級導入に、「学級には一定規模が必要」との論理で、「オール与党」の応援を得ながらあくまでも反対していることを紹介。市田氏は、こうして福祉・教育予算を削る一方で、一メートルあたり一億円、総事業費八千二百億円もかけた、「三環状道路」建設計画を推進している逆立ちぶりをあげ、「福祉をつぶし、教育をつぶして道路をつくる逆立ち都政を日本共産党の躍進でまともな都政に転換させよう」と訴えました。
市田氏は、いよいよ輝きを増している党都議団十三議席の値打ちについて、(1)「オール与党」の都議会のなかで都民本位の立場にたち、都政の横暴に歯止めをかけてきた(2)独自の調査で知事・都議の豪華海外旅行、知事の都政私物化などを追及し、都民の前に明らかにした(3)子どもの医療費一部無料化、築地市場の豊洲移転阻止の取り組み、保育園の民営化路線歯止めなど、都民要求を実現してきた―ことを生き生きと語りました。市田氏が、「都民いじめの政治に対決しているのは日本共産党だけ」とのべ、躍進にむけた支持をよびかけると、満場の拍手がこれに応えました。
演説会には、笠井亮衆院議員(衆院東京比例予定候補)、伊藤文雄衆院東京14区予定候補、地元墨田区から二十年ぶりの都議席奪還をめざす、あとう和之予定候補があいさつしました。
近所の知り合い数人を誘って演説会に初めて参加した町内会長の男性は「私は戦前の人間だから共産党というと昔のイメージがあったが、考えが変わりました。もっと早く党を知っていればよかった」と感想をのべていました。派遣切りにあい、あとう候補の支援で正規の職が見つかったという男性は「初めて参加したが、福祉や雇用を大事にする共産党の主張はまさしくその通り」と話していました。