衆院予算委参考人質疑で笠井議員質問
自動車業界団体代表(川口均氏)/宇都宮健児弁護士が雇用問題で意見述べる
衆院予算委員会は二十四日、日本自動車工業会労務委員長の川口均氏(日産自動車常務・執行役員)と「反貧困ネットワーク」代表の宇都宮健児弁護士を招致し、参考人質疑を行いました。大企業が昨年から「非正規切り」など大規模な雇用破壊を進める中、業界団体の代表を国会に招致しての質疑が初めて実現しました。経済団体・大企業代表の招致は日本共産党が強く求めていたものです。
「年越し派遣村」の名誉村長を務めた宇都宮氏は、大量の「非正規切り」を進めるトヨタ自動車やキヤノンなど大手製造業十六社の内部留保が、二〇〇二年の二倍の三十三兆六千億円にのぼっていることを指摘し、「企業に社会的責任を果たさせるべきだ」と発言。「(日本経団連会長の)御手洗(冨士夫)さんやトヨタの経営者などを呼んでもらいたい」「違法・不当な『派遣切り』を国は強く指導すべきだ」と述べました。
川口氏は「非正規の従業員は、生産上の弾力性を保つという観点において、非常に有効な役割を果たした」などと、非正規労働者を「雇用の調整弁」にしていることをあからさまに示しました。
「労働者を調整弁にするな」笠井議員が批判
日本共産党の笠井亮議員は、非正規労働者を「調整弁」扱いする企業の姿勢を厳しく批判。また、自動車業界内の「偽装請負」の実態を「把握していない」という川口氏に対し、「知らぬ存ぜぬではすまされない。法違反の実態を報告すべきだ」と求めました。川口氏は「自動車工業会に持ち帰り、参加各社と確認を進める」と答えました。
笠井氏は、「偽装請負」の期間も派遣期間とみなされ、三年以上なら派遣先企業に直接雇用を申し込む義務が生じると指摘。大企業が内部留保など雇用維持の体力があることも示し、「景気回復のためにも、雇用を守る企業の社会的責任を果たしてもらいたい」と求めました。(しんぶん赤旗/2009年2月25日より)
◆論戦ハイライト(PDF/bt_20090225121232.pdf)
(会議録/bt_20090513131624.pdf)