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【09.01.09】企業の内部留保を活用して雇用確保を

笠井議員の要求に、麻生首相が大企業側へ要請する考えを表明

 
衆院予算委員会で派遣労働者の雇用問題を質問
 日本共産党の笠井亮議員は九日の衆院予算委員会で、「年越し派遣村」(東京・日比谷公園)に集まった人たちへの支援とともに、これ以上の「非正規切り」を許さない緊急措置と、日本経済の前途のためにも大企業の内部留保活用などで雇用を確保することを強く求めました。非情な「派遣切り」の実態を示した笠井氏の質問に、委員会室は静まり返り、自民党議員からも「いい質問だ」「それが大事だ」という声が上がりました。
大企業による大量解雇について、笠井氏は「個々の企業にとり、瞬間的に財政状況をよくするかもしれないが、一斉に行われると消費が落ち込み、日本経済の前途を危うくする。企業の存立・発展を脅かす自殺行為ではないか」と指摘しました。麻生太郎首相は「個々の企業にとってコスト削減が正しくても、全体でやるといいことにはならない。おっしゃる通りだ」と答えました。
 笠井氏は、一九九九年から二〇〇七年までに、派遣労働者が百七万人から三百八十四万人に激増している一方で、大企業が内部留保を六十兆円も増やしていることをパネル(①/bt_20090123115055.pdfで提示。「内部留保は、派遣労働者らの血と汗と涙でため込んだものだ。そのわずか0・2%を回せば、(三月までに解雇される)八万五千人の正社員化も可能だ。内部留保を活用して雇用確保に努めるよう企業に働きかけるべきだ」と追及しました。
 首相は「内部留保の扱いについては(活用するよう)重ねて言わないといけない」と述べ、企業側に要請する考えを表明しました。河村建夫官房長官も「積極的に経営者団体等を通じて要請を強くしていく」と明言しました。
 また笠井氏は、約五百人の派遣・期間従業員を解雇した「三菱ふそうトラック・バス」の例(パネル②/bt_20090123115200.pdfを取り上げました。契約途中で解雇された男性の声を突き付けた笠井氏は「こういう理不尽なことはただちにやめさせよ」と迫りました。
 笠井氏は「解雇を許さない緊急措置とあわせて、労働者派遣法の抜本改正が必要だ」と強調しました。
「派遣村」最後まで救済を
 十二日までの期限で都内の四施設に一時的に移転している「派遣村」の労働者について、笠井氏は「期限が来たからといって、放り出し路頭に迷わしてはならない」と迫りました。
 舛添要一厚生労働相は「最大限全員が住居を確保し、就職できるようやっていく」と答えました。
 また笠井氏が、全国で解雇された人たちを国が責任をもって救済するよう求めたのに対し、麻生首相は「これまでにないような対応を考える」と表明しました。
笠井=「住居・就職支援緊急に」
麻生首相=「これまでにない対応考える」
「年末年始、私も訪れ、直接話を聞きました」
笠井議員がまずとり上げたのは、東京・日比谷公園につくられた「年越し派遣村」のことです。「やっと暖かいご飯を食べられた」「これほど人の情けを感じたことはない」と口々に言っていた労働者の話を紹介しました。
      ◆   ◇   ◆ 
笠井 総理は、働く意思も意欲もある人たちが、やむにやまれず集まってきたのが、「派遣村」だと認識しているのか。
麻生太郎首相 日比谷公園だけではない。仕事だけでなく、住居がなくなるということが、今までと状況が変わっていると認識している。
      ◆   ◇   ◆  
労働者が失業とともに住まいも失う事態が全国的に起こっているとの認識を示した麻生首相。
しかし、「派遣村」にいた労働者が現在使っている都内の四施設の利用期限は十二日までとされています。笠井氏は「生活、住居、就職支援について何をどこまで責任をもってやるつもりなのか」と追及しました。
舛添要一厚労相は「十二日までに全員が、最大限、住居を確保し、できれば就職ということをやっていきたい」と答弁しました。笠井氏は、住宅が決まっても職探しがまだ、生活保護が決まってもアパートが見つからないなど、労働者は依然として困難に直面していると指摘。「路頭に迷わせるということは絶対にしないと確認を」と求めました。
舛添厚労相は「かりに手続き上、間に合わない場合でも、東京都、関連の区と協力してきちんと対応していきたい」と答えました。
また、笠井氏は、労働者へは緊急の支援が引き続き必要だとし、全国的な支援の状況について政府が状況をつかむよう要求。舛添厚労相「各地のハローワーク、労働基準局から毎日報告があがってきている」とは述べるものの、詳細は明らかにせず、政府として未掌握であることが明らかになりました。
笠井氏は、「早急に全国的な支援の状況、問題点も含めて調査し、早急に当委員会に報告してもらいたい」と要求しました。
「政治災害」――国は責任を果たせ
笠井氏は、現在の事態は、労働法制の規制緩和、派遣労働の自由化のなかで起こったことだと指摘。「政治災害というべきもので、国の責任をしっかり果たすべきだ」と強調。当面の生活、住居、就職が確保できるまで地方自治体と協力して救済措置をとるよう迫りました。首相は「百年に一度の状況なので、これまでにない対応を考えねばならない」と答えました。(2008年1月10日/しんぶん赤旗より)
◆論戦ハイライト(PDF/bt_20090123115335.pdf)

◆会議録(PDF/bt_20090902135432.pdf

笠井議員の活動が「しんぶん赤旗・日曜版」で紹介されています

1月9日の予算委員会における笠井議員の質問が1月18日付け「しんぶん赤旗・日曜版」に掲載されています。
(PDF/bt_20090123115722.pdf

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