自らの通達に反し実態把握をしていない警察庁
外務委員会で警察庁の通達を示し批判
日本共産党の笠井亮議員は二十六日の衆院外務委員会で、神奈川県横須賀市で起きたタクシー運転手刺殺事件に関連して、脱走米兵の問題で政府の対応をただしました。
このなかで警察庁が過去の脱走米兵の実態について、自ら定めた通達に反し、把握すらしていないというずさんさが明らかになりました。
笠井氏は、警察庁が一九六八年に出した「脱走米兵の取り扱いについて」という通達(※資料PDF/bt_20080327113047.pdf)をもとに、(1)脱走米兵による犯罪件数(2)米側からの逮捕要請によって逮捕した件数(3)脱走米兵に関する情報を入手した件数について質問しました。
警察庁の小野正博審議官は、〇五年以降の逮捕要請が九件あったことは明らかにしたものの、「それ以前については掌握していない」と答弁しました。同通達は、現在も有効な訓令・通達として警察庁のホームページに掲載されているもの。米側から逮捕要請があった場合や脱走米兵に関する情報を入手した場合、「都道府県警察の本部長は、警察庁および管区警察局あて報告すること」と定めています。
笠井氏は、「本庁あてに文書報告がされているならつかめるはずだ。きちんと集約して検討しないで責任が果たせるのか」と重ねて追及。小野審議官は、「数字は把握していない」などと繰り返しながら、「どの程度把握できるか、今後過去のものについても検討させていただきたい」と答えました。
笠井氏は実際に起こった過去の脱走米兵による凶悪犯罪を示し、「米側と交渉する上でも実態を把握することが大前提だ。国民、市民の安全をはかる立場から、毅然(きぜん)とした態度を米側にとるかどうかが問われている」と迫りました。高村正彦外相は「(実態の把握も含め)得た情報を関係省庁と共有してアメリカ側と折衝していきたい」と表明しました。(2008年3月27日/しんぶん赤旗より)
(会議録/bt_20080430171719.pdf)