自衛隊も保有、調達総額が276億円
笠井議員の質問に答弁
防衛省は十一日の衆院外務委員会で、自衛隊が保有しているクラスター爆弾の調達総額が二百七十六億円にのぼることを明らかにしました。日本共産党の笠井亮議員の質問に答えたものです。
笠井氏は、今年二月のウェリントン会議で、クラスター爆弾の「使用、製造、移譲及び貯蔵の禁止」を不可欠の要素とする「宣言」に日本も署名したことは重要だと指摘しました。
しかし、「宣言」に署名しながら、クラスター爆弾そのものを保有しているのは問題だとして、保有数と購入金額を質問。防衛省の小川秀樹参事官は「陸自と空自で保有し、調達総額は二百七十六億円」に上ることを明らかにしました。笠井氏は、米軍も保有する「CBU―87爆弾」(一発約百七十万円)で計算すると一万数千発になると告発しました。
国内での使用に関して小川参事官が「事前に住民を避難させ、使用後に除去する」と答弁したのに対し、笠井氏は、総務省消防庁の「国民保護ブロック会議」資料(二〇〇五年五月)が「避難を想定した具体的対応を定めておくことは困難」と明記していることを挙げ、「机上で絵に描くようなものだ」と批判しました。
質疑の中で高村正彦外相は「主要な(武器)生産国の国際会議への参加がなければ、保有もしていない、生産もしていない国が小さな理想的なもの(条約)を作っても役に立つわけがない」などと、イラクで多用している米国などをおもんぱかる姿勢を示しました。
笠井氏は、クラスター爆弾禁止こそが世界の流れであることを力説し、「憲法九条を持つ国として、クラスター爆弾全面禁止へ主導権を発揮すべきだ」と強く求めました。
クラスター爆弾 親爆弾から放出されるたくさんの子爆弾が広い範囲に飛び散って爆発し、戦車群や地上部隊、施設を一度に壊滅させることを目的にしています。子爆弾の不発弾率が高く、知らずに拾い上げた子どもをはじめ多数の犠牲者を出すなど、残虐かつ非人道的な兵器です。(2008年4月13日/しんぶん赤旗より)
【会議録/bt_20080609174155.pdf】