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【08.01.29】笠井議員=07年度補正予算反対討論

「生活より軍事優先」と厳しく批判

 
衆院本会議
衆院本会議は二十九日、二〇〇七年度補正予算案を自民党、公明党、国民新党の賛成多数で可決しました。日本共産党、民主党、社民党は反対しました。また、同本会議で補正予算案関連の地方交付税法の一部改定案が採決され、自民党、公明党、民主党、社民党、国民新党の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
 採決に先だち、日本共産党の笠井亮議員が補正予算案の反対討論にたちました。
 笠井氏は冒頭、与党によるガソリン税の暫定税率二カ月延長のための「つなぎ法案」提出の動きを厳しく批判。そのうえで、「災害対策や中国残留邦人への支援などに対して補正予算を組むことは当然だ」としながらも、補正予算案には重大な問題が含まれていると強調しました。
 笠井氏は、米軍再編関連経費に百七十一億円もの予算を計上していることや、原油価格高騰対策費五百七十億円のうち22%が自衛隊の訓練などの燃料購入費となっていることなどをあげ、「国民生活より軍事を優先する政府の姿勢を示すものだ」と厳しく批判。高齢者医療費負担増の激変緩和措置についても、「凍結」とは名ばかりのごまかしにすぎないことを指摘し、「高齢者が長生きを喜べない差別医療制度は、『一部の凍結』ではなく、きっぱりと中止すべきだ」と主張しました。
笠井議員の反対討論(全文)
 私は、日本共産党を代表して、二〇〇七年度補正予算三案に反対の討論を行います。
 まずはじめに、与党側が、ガソリンの暫定税率を二カ月延長する「つなぎ法案」なるものの提出を画策していることに強く抗議するものであります。これは、十年間の道路特定財源を確保する法案本体の審議に一歩も入らないまま、その成立を担保するものであり、衆参両院での審議を無意味なものにし、事実上審議権をはく奪するものであります。これほどの議会制民主主義のじゅうりんはありません。断じて容認できないことを表明するものであります。
 災害対策や中国残留邦人への支援などに対して補正予算を組むのは当然です。しかし、今回の補正予算は、以下の重大な問題点を含んでおり賛成できません。
 第一に、「米軍再編関係経費」に百七十一億円もの予算を計上していることです。
 岩国基地への米空母艦載機移駐経費は、岩国市民が二度にわたって示してきた移駐反対・米軍再編反対の声を踏みにじるものです。また、名護市辺野古沖への新基地建設は、地元住民が強く反対してきたものであり、さる二十四日には、米国連邦地裁が国防総省に対しジュゴンに与える影響調査をしていないことは文化財保護法違反だとする判決を下しています。
 こうした在日米軍基地と自衛隊基地の再編強化の予算は、地球的規模での日米軍事一体化をおし進めるためのものであり、断じて認めるわけにはいきません。
 第二に、原油価格高騰対策費五百七十億円のうち、その22%を自衛隊の訓練等の燃料購入費が占めており、漁業の燃油対策、離島航路や地方バスへの補助などの経費を上まわっています。これは、原油高騰によって重大な影響をうけている国民生活より軍事を優先する政府の姿勢を示すものにほかなりません。
 第三に、高齢者医療費負担増の激変緩和措置は、「凍結」とは名ばかりのごまかしにすぎません。負担増の「凍結」の期間は、わずか一年間です。後期高齢者医療の保険料徴収の「凍結」対象もわずか百六十万人で、千三百万人の大半を占めている国保加入者の保険料は予定通り四月から徴収され、わずかな年金からも保険料が天引きされるのであります。高齢者が、長生きを喜べない差別医療制度は、「一部の凍結」ではなく、きっぱり中止すべきことを主張し、討論をおわります。
(/2008年1月30日/しんぶん赤旗)

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