防衛省は年内実施否定せず
防衛省は「ミサイル防衛」システムの地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を2007年度中に首都圏の自衛隊基地(入間、霞ヶ浦、習志野、武山)に配備する計画で、これまでに埼玉・入間基地(3月)千葉・習志野基地(11月)に配備しています。このPAC3の移動展開訓練を都内の公園や自衛隊施設などで年内にも実施することが報じられています。
この問題で党都委員会は石破茂防衛相に対し、PAC3の展開訓練を行わないことや配備をとりやめることを申し入れました。徳留(とくとめ)道信衆院比例東京ブロック予定候補(党都副委員長)、衆院小選挙区予定候補の冨田なおきさん(1区)、中島つかねさん(2区)、太田のりおきさん(7区)、岸良信さん(9区)、田村智子参院選挙区予定候補(党都副委員長)、古館和憲都議、雨宮武彦新宿区議、新保久美子渋谷区議らが参加。笠井亮衆院議員、小池晃参院議員秘書が同席しました。
申し入れでは「ミサイル防衛」構想は、憲法を踏みにじる集団自衛権の行使につながり、アジアと世界の安定を脅かすものであることを指摘。訓練の候補地として自衛隊市ヶ谷駐屯地(新宿区)、同練馬駐屯地(練馬区)とともに、新宿御苑(新宿区)、晴海ふ頭公園(中央区)、お台場海浜公園(港区)、代々木公園(渋谷区)、明治公園(新宿区・渋谷区)の名が報じられていることを示し、都民生活へも大きな影響が出ることは明白と指摘し、訓練と配備の中止を求めました。
防衛省の担当者は「具体的な方針を固めた事実はない」としながら、一般論として訓練の必要性を強調し、「所要の訓練を着実にすすめていく」とのべ、年内に訓練を実施する可能性についても否定しませんでした。(※12月4日~5日、米軍は沖縄でPAC3の移動訓練を実施していますが、防衛省はその際、関係自治体に対し「報道機関への情報を公にしないよう」要求しています。)
また、防衛省は訓練の規模について、「(訓練の内容によって)どういう機材を活用するかで使用する用地の範囲は異なるが、発射機材を展開する際には後方に100mは空けられ、(高層ビルなど)まわりに障害がないところが条件になる」と述べ、同時に複数の地域を活用した訓練もありうることも認めました。
また、これまでに公園を管理する東京都や環境省と協議(内々の協議も含め)をすすめているのかという質問については、回答を避け否定しませんでした。
参加者は、先月11月にPAC3を習志野基地に配備した際に防衛省が、関係自治体に事前に公表しないよう求めていることを指摘し、住民に通知のないまま公園で突然訓練が行われることもありうると批判、訓練と配備の中止を重ねて求めました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・申し入れ内容は次の通り
地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備と移動展開訓練に反対する申し入れ
防衛省は「ミサイル防衛」システムの地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の首都圏への配備をすすめ、その移動展開訓練を都内の公園や自衛隊施設で近く実施すると報じられている。
「ミサイル防衛」システムはアメリカの軍事戦略に深くかかわり、相手のミサイル攻撃を無力化する態勢をつくることで、報復の心配なく先制攻撃を可能にしようというものである。こうしたシステムの配備・推進は、世界とアジアの安定を脅かすもので、憲法を踏みにじる「集団的自衛権」の行使につながり、巨額の財政支出をもともなうものである。
報道では移動展開訓練の候補地として、自衛隊市ヶ谷駐屯地(新宿区)、同練馬駐屯地(練馬区)とともに、新宿御苑(新宿区)、晴海ふ頭公園(中央区)、お台場海浜公園(港区)、代々木公園(渋谷区)、明治公園(新宿区・渋谷区)などが検討されていることがくりかえし指摘されている。こうした公園は都民のいこいの場であり、訓練が行われれば都民生活へも大きな影響が出ることは明白である。
この問題について貴省は、平時における訓練の必要性やその際の展開地として民有地なども排除していないことを明らかにしている。
PAC3の配備と移動展開訓練については、都民の批判や不安も広がっており、以下の事項についてつよく求めるものである。
1、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の都内での移動展開訓練は行わないこと。
2、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備は中止し、すでに配備すみのものについてはすみやかに撤去すること。
2007年12月10日
日本共産党東京都委員会
防衛大臣 石破 茂 殿