聖域にされてきた軍事費にメスを
笠井議員が日米軍事利権の解明で指摘
日本共産党の笠井亮衆院議員は二日のNHK番組「日曜討論」で、日米の軍事利権疑惑や新テロ特措法案を巡り、各党代表と討論しました。番組には、石破茂防衛相も出席しました。
笠井氏は、軍事利権疑惑には、額賀福志郎財務相や久間章生元防衛相ら日本の政治家のほか、軍需専門商社「山田洋行」の関連会社からコンサルタント料をもらっていた人物として、アーミテージ元国務副長官まで名前があがっていると指摘。「日米(の政治家、軍需企業)がかかわる深い利権疑惑だ。徹底追及が必要だ」と主張しました。
石破防衛相は「(海外からの調達について)商社にまかせてきた」ことに問題があったとし、今後、防衛省の調達部門に人員増を図ることも「議論しなければならない」と述べました。
笠井氏は、商社への依存が、結局、米軍需産業の“言い値”で調達することになっている問題を指摘したうえで、「より根本的には、そもそも、これだけの兵器を買う必要があるのか自身を点検すべきだ」と述べ、「聖域」にされてきた軍事費そのものにメスを入れるべきだと主張しました。
このなかで、小泉内閣以降、“海外で戦争ができる国”づくりと直結した形で、海外派兵型装備の調達を進め、そこに政軍財の癒着が生まれてきたと告発。「疑惑の徹底解明と防衛行政、予算、政策そのものの総点検を」と求めました。
司会の島田敏男NHK解説委員も、軍事費について「圧縮するのが当然というのが納税者の当たり前の感覚だ」と発言。石破防衛相も「いらない装備は、勇気をもっていらないといわなければならない」と述べました。
また海上自衛隊を再びインド洋に派兵する新テロ特措法案の国会成立を政府・与党が急いでいることについて、笠井氏は「油をだすより、うみを出し切れ」と批判。アフガニスタンのカルザイ政権も、反政府勢力との政治的交渉による和解への道に踏み出していると述べ、軍事支援の再開ではなく、「憲法九条をもつ日本として外交的役割を果たすよう切り替えるべきだ」と主張しました。(2007年12月3日/しんぶん赤旗より)
(写真はNHKの放送から)