笠井議員 人命を預かる現場の危険性を指摘
衆院外務委員会で政府の対応をただす
多数の人命を預かる鉄道運転士の労働時間が、一般正社員をはるかに上回る年間2000時間を超す長時間労働を強いられている問題について、ILO(国際労働機関)条約の批准を審議した23日の衆院外務委員会で取り上げられました。日本共産党の笠井亮衆院議員が国会図書館の調査をもとに質問したものです。
京成電鉄の年間2438時間を筆頭に、京王電鉄2389時間、西鉄2222時間に達し、一般正社員平均の2012時間(2005年)をはるかに上回る長時間労働が横行しています。
笠井氏は、京王電鉄の運転士からの「泊まりで早朝乗務が増え、泊まり明けでまた泊まりという2泊3日の勤務も多い」「終点の折り返し時間が3分30秒しかなく、到着すると慌てて移動して運転席に飛び乗る」との声を紹介。「こんな長時間過密労働をしていて、万一事故につながったらどうするのか。多数の人命を預かる輸送の現場にあってはならないことだ」と強調しました。
さらに京王電鉄では、臨時的な場合だけ残業時間の延長を認める「特別協定」を要員不足を理由に改定し、月80時間・年750時間から月100時間・年850時間に延長したことを指摘。青天井の時間外労働の上限を法定化し、特別協定の廃止を求めました。
厚労省の森山寛審議官は、特別協定は「臨時的、特別な事情が生じた場合」とのべ、「労基法や基準をしっかり順守させる」と答えました。
笠井氏は、日本が国際社会で信頼される国になるには、国際労働基準であるILO条約を積極的に批准すべきだと主張。麻生太郎外相は「労働状況は変わっているが、多くの問題が残っており、努力していかねばならない」と答えました。
(2007年5月24日/しんぶん赤旗より)
◆笠井議員が外務委員会提出した電車運転手の労働時間の実態(資料/bt_20070524114628.pdf)