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2017年ニュース

【17.11.26】NHK日曜討論/笠井政策委員長の発言

 日本共産党の笠井亮政策委員長は26日のNHK「日曜討論」で、27日から始まる衆参両院での予算委員会の論点として教育負担の軽減、社会保障の財源、北朝鮮問題、森友・加計学園問題について、各党の政策責任者と議論しました。

教育・社会保障の財源は消費税増税ではなく富裕層と大企業の応分負担
 安倍首相は総選挙で消費税10%の増収分を財源に、幼稚園・保育所と高等教育の無償化を公約しました。立憲民主党の長妻昭政調会長は「能力があれば適切な教育を受けられる社会を目指しているが、順番が違う。まずは待機児童をゼロに」と主張しました。
 笠井氏は「今出ているのは、看板と中身が違う」と指摘。「まず安心して預けられる認可保育所をつくる。そして幼児も高等教育も本格的に無償化に踏み出すことが必要だ」として、認可保育所に入れるか入れないかで不公平を生まないようにすべきだと語りました。
 さらに、日本の教育に対する公的支出は経済協力開発機構(OECD)加盟国で最低レベルであり、引き上げる必要性を強調。そのために「消費税の10%への増税はきっぱりやめて、財源は、富裕層や大企業から応分の税金を払ってもらうことで賄うことが必要だ」と提案しました。
 安倍政権が「生産性革命」として規制緩和などを打ち出していることをどう見るかが話題になりました。
 笠井氏は「安倍政権は、大企業がもうかればいずれ暮らしに回ってくると言ってきたが、そうなっていない」と指摘。法人税減税の話も出ているとして「すでに4兆円も企業減税をして、大企業は4年連続最高益で内部留保は400兆円を超えた。しかし、賃上げにほとんど回っていない。これ以上法人税を減税しても格差を広げるだけだ」と批判しました。
 一方、「増えた内部留保の1、2割を使うだけでも月2万円の賃上げになる」と分析。長時間労働の規制、非正規と正規の均等待遇、正社員化、最低賃金を1000円から1500円に、中小企業支援―などの政策を紹介し、「そういう方向で本格的に経済政策を転換することが必要だ」と述べました。

北朝鮮問題で対話の道筋を
 米国のトランプ大統領が北朝鮮を9年ぶりに「テロ支援国家」に再指定し、それを安倍首相が歓迎し、支持すると述べたことについて、自民党の田村憲久政調会長代理は「圧力を最大化するのは致し方ない。北朝鮮は核開発を放棄しないから対話しようとしてこない」と弁明しました。
 野党からは疑問が相次ぎました。「安倍首相とトランプ大統領の言葉は突出している」(希望・長島昭久政調会長)。「対話は無駄、100%アメリカとともにあるという表現は、(北朝鮮の)暴発を呼びかねない」(民進党・足立信也政調会長)
 笠井氏は、北朝鮮に対する経済制裁の強化は必要であり、「テロ行為は厳しく批判されなければならない」と表明。その上で「肝心なのは、制裁一本やりでは問題は解決しない。いかに対話の道筋をつけていくか。そのことで平和的解決を図るべきだ」と主張しました。トランプ大統領が「すべての選択肢がテーブルの上にある」と述べていることに対し笠井氏は「選択肢には先制的な軍事攻撃も入る。そうなれば何十万、何百万人の犠牲者が出てしまう。安倍首相はアメリカに対して、先制攻撃はすべきでないとはっきり言うべきだ」と求めました。
 自民・田村氏は、司会者に「安倍首相は、笠井氏が言ったことをトランプ大統領に伝えているか」と問われ、「世界で最もトランプ大統領に物が言える首脳は安倍さんだと思います」と発言。笠井氏は「言っていないということだ」と批判しました。

森友・加計疑惑の解明に証人喚問を
 学校法人「加計学園」に獣医学部新設が認可される一方、森友学園への国有地値引きについて、会計検査院は十分な根拠が確認できないとしました。
 民進・足立氏は「有益費の評価、値引きの評価調書も作成していない。行政文書がまったくない」と批判。自民・田村氏は、行政文書がないことについては「早急に是正」を表明しつつ「もともとあの土地自体、非常に価値が低かった」と値引きの正当化を図りました。
 立民・長妻氏は「これだけ危ない橋を近畿財務局や財務省が渡るというのは一体どういう意図なのか。どう考えても官邸などを忖度(そんたく)したと考えるのが自然だ」として国会での証人喚問など徹底追及を主張。公明党の石田祝稔政調会長も「売却の過程の文書が全く残っていないのは不思議だ。政府は説明責任を果たしていかないといけない」と注文をつけました。
 笠井氏は「いずれも疑惑は深まるばかり。加計孝太郎氏、安倍昭恵氏の証人喚問はどうしても必要だ」と強調しました。
 森友学園の問題の核心は、国有地の8億円値引きの根拠です。安倍首相は、値引きは適正だった、売却過程には自分も妻もかかわっていない、会計検査院が調べていると主張してきました。
 笠井氏は「(会計検査院の)報告で、不適切な過大な値引きがはっきりした。これまでの答弁が、国会と国民を欺いたことになるではないか」と厳しく指摘。籠池泰典前理事長が「神風が吹いた」と感じた時期は、昭恵氏が名誉校長だったとして「ご本人に直接話法できっちりと国会で語ってもらう必要がある。これは最低限必要だ」と求めました。
 自民・田村氏は「政治家でない方々を証人喚問や参考人として呼ぶのは慎重に取り扱うべきだ」と否定的な考えを示しました。笠井氏は「昭恵氏は1回も語っていないんです。総理が代わりに話しているというけれども、丁寧に謙虚に説明と言われても、国民の6割は納得していない。本人に来てもらわないと」と重ねて要求しました。
 予算委員会の論点を聞かれ、笠井氏は「今度の予算委員会は、(首相と)一問一答で質疑をする総選挙後初めての機会になるので、森友・加計問題の徹底追及と、安倍政権の政治姿勢をとことんただしていきたい」と表明しました。
 笠井氏は教育問題については、「幼児教育、高等教育含めて無償化ということでは、消費税増税ありきの枠内で議論するとなかなかできない。財源問題で富裕層、大企業から応分の負担ということでやる必要がある」と改めて強調しました。社会保障については「介護にしても要支援1、2だけでなく要介護1、2も在宅サービスを無くしていくと、現役世代にもかかってくる。介護離職が100万人を超えているがさらに増える」と指摘。「国民の立場で、格差と貧困をただすことが大事だ」と述べました。
【「しんぶん赤旗」2017年11月27日付】