ニュースの?を国会議員に聞いた

(「われら高校生」2006年2月13日・20日・27日より)

<上>危険なマンションはなぜつくられたの?

 昨年秋、耐震強度をごまかした危険なマンションがつくられていたことが大きな話題になった。「登場人物が多くて真相がよくわからない。いったいだれが悪いの?」「自分の住んでるところは大丈夫?」など、高校生の疑問を日本共産党の笠井亮衆議院議員に聞いたよ。

もうけのためにみんなが手抜きをした

なぜ危険なマンションが建てられたんでしょうか?
 昨年11月、「震度5強」で倒れる危険があるマンションやホテルが全国のあちこちにつくられていたことがわかり、日本中を揺るがす大問題になりました。
 事件は、建築士が建物の安全に必要な鉄筋の数をへらして、ごまかしの設計をしていたことからわかりました。大きな問題になったのは、その設計書をチェックする民間の検査機関が安全の基準を満たしてないのに、それを安全だと認めてしまったことです。さらに、ヒューザーという会社は、危険なマンションとわかってからも販売をつづけていました。
 問題になったマンションを調査しましたが、外観はきれいで立派なのに、柱なんかは手抜きしていても外からは見えないんですね。そこでコストを下げて、お金をかけないようにして、安くて危ないものをつくった。住宅の安全よりも、とにかくもうけ第一でつくったんですね。
 私も国会で当事者を直接、証人喚問する機会がありました。そこで感じたのは、事件にかかわった建築士、建設会社、民間検査機関、販売主など、登場人物がみんなグルになっていたことです。“仕事を取り上げるぞ”と建築士を脅(おど)して、安全を無視した設計書をつくらせて、手抜きした建物を見逃していたのです。しかもそこに献金をもらっていた政治家までからんで手助けしていました。
 ある雑誌のアンケートでは、建築士の8人に1人が手抜きの設計をしたことがあるという結果も出ました。あきらかになっているのはまだ氷山の一角で、日本共産党の追及にたいして小泉首相も「今後もまだ起こるかもしれない」という始末です。

ルールをゆるめた自民党政治に責任

日本は地震も多いのに、そんな会社ばかりだったら、危険な建物がふえて怖いです。
 問題なのは、もうけだけ考えている建築業者に任せていたら、安全が無視されるということです。みんな競争しているから、安全に作ったらコストも高くなって売れない。しかし、手抜きした建物は安くて、競争でも勝てることになります。
 だからこそ、政治の責任で、安全にかかわることは手抜きしてはいけないと法律やルールで守らせることが大事なんです。しかし、1998年に、建築基準法というルールをゆるめて、それまで国や自治体がやっていた検査の仕事を民間の検査機関に丸投げしたのです。それから、民間の検査会社がふえ、“早くて安い検査”を競うようになりました。いまでは、ゼネコンや住宅メーカーがお金を出して自分たちで検査機関をつくって、自分たちがつくった建物を、自分たちで検査しているんです。これでは公正な検査なんてできるわけがありません。
 なぜルールをゆるめたかというと、アメリカ政府や日本のゼネコンなどが要求してそれを自民党政治が受けいれたからです。こんなモラルも使命感もないような悪徳業者を生み出した自民党政治の責任は重大です。小泉首相は、“規制緩和すればすべてうまくいく”といって、これまで国や自治体がおこなっていた仕事を民間ができるようにすすめています。しかし、国民の命も安全ももうけの対象にする規制緩和が、いま本当に問われていると思います。

国民の命と安全に責任をもつ政治を

その通りですね。これからどんな対策がもとめられますか?
 マンションの住人のみなさんは、“せっかく何千万円というローン(借金)をして買ったのに、もう先が見えない”という人がほとんどです。ですから、まずマンションに住む被害者の方の建て替え費用やローン返済などの負担を軽くすることが必要です。
 さらに、今回の事件で「うちの住まいは大丈夫か?」という不安がひろがっています。希望するどのマンションでも耐震診断や改修ができるように、お金を援助する制度の充実も必要です。そして、ゆるめた法律を見直して、建築士が建築主などのいいなりにならないようにしないといけません。それから、民間まかせの検査をやめ、行政が責任をもつべきです。
 耐震強度の事件の他にも、ライブドア事件や食の安全をおびやかす米国産牛肉輸入問題など、さまざまな問題が起きています。国民の安全に責任をもち、一人ひとりを大切にする社会をつくっていくことが本当にもとめられていると思います。