改憲手続き法案継続審議

(しんぶん赤旗2006年12月23日・24日・25日より)

国民投票法を含む改憲手続き法案は、十九日閉幕の臨時国会で継続審議になりました。衆院憲法調査特別委員会で同法案阻止に力をつくした日本共産党の笠井亮議員に話を聞きました。

首相の所信くじいた

法案が継続審議になったことをどうとらえますか。
  安倍首相は、戦後歴代首相のなかで初めて、5年ないし6年という期限まで示して任期中の改憲を打ち出しました。国会冒頭には、所信表明で「まず憲法改正手続き法案の早期成立を期待する」とのべました。
  にもかかわらず、国会内外の力で今国会で成立どころか衆院で採決さえさせなかったことの意味は大きいと思います。国民が九条改憲もそのための手続き法も決して望んでいないことをはっきり示しました。
  今度の国会でも「いまなぜ手続き法か」ということがきびしく問われました。提出者は「国会で議論が深まれば国民の関心も高まる」といい、テレビ質問も実施し、8回の委員会、5回の小委員会をやってきましたが、最後の質疑では「積極的に手続き法を求める国民の声はない」という事実を認めざるを得ませんでした。
  ここまで追いこんだのは国会内外の世論と運動の力です。教育基本法改悪反対の歴史的たたかいの中で、集会では改憲手続き法案阻止もスローガンに掲げられましたし、草の根の「九条の会」は5,600を超え大きく発展しています。

参考人も疑義

国会に寄せられる意見はどうでしたか。
  特別委員会ではのべ21人の参考人が出席しましたが、積極的に成立を主張したのは4人だけ。その4人を含め、全員が与党案、民主党案の問題点を指摘し、疑義を示しました。また、委員会への請願は75件ありました。いずれも反対もしくは廃案を求めるものでした。
  日本弁護士連合会は、8月と12月の二回意見書を出しましたが、法案の反民主的な問題点をきびしく問うものでした。
  推進派は、手続き法案を「国民主権の具体化」だと主張しました。しかし、国民は九条改憲の条件づくりという法案の本質を見抜きつつあると思います。

改憲勢力も計算が狂ったのでしょうか。
  自民党の改憲スケジュールを狂わせているのは事実です。国会閉会後、中山太郎特別委員長は「共産党がいなかったらもっと早くいったのに」と悔しがっていました。
  特別委員会でも、公明党の赤松正雄議員が「国民投票法案に時間を費やして、一年7ヶ月空白があって、憲法改正について論点整理という詰めた議論がなされないでいる」と発言、中山氏が「一年半無為に過ごしてきたという発言は理事会で相談する」と血相を変えたことがありました。彼らは、手続き法も改憲プログラムの中に組み込んできたのですから、中山氏がかちんときたのです。

改憲派も必死

改憲勢力も計算が狂ったのでしょうか。
  しかし、実際に改憲スケジュールが狂っているからこそ、閉会直後の会見で安倍首相はわざわざ「任期中改憲」に言及し、「国民投票法案を来年の通常国会で成立させたい」と発言したのです。遅れを取り戻し、米国や財界向けに決意表明をしたのだと思います。