(2014年5月号前衛より)

[インタビュー]

福島事故への反省なき、「原発永久化宣言」の暴走

──世論を踏みにじる安倍政権の「エネルギー基本計画」の撤回を (1)


笠井 亮
(衆院議員、党原発・エネルギー問題対策委員会責任者)

揺るぎない「原発ゼロ」の声、逆行する安倍政権

 東京電力・福島第一原発事故から三年が経過しました。事故は収束どころか、事故の原因究明もすすまず、相次ぐ放射能汚染水漏れなど危機的な状況がつづいています。福島では、一三万四七九五人の方々がいまなお県内外で避難生活を余儀なくされ、「震災関連死」が地震や津波による「直接死」を上回り、一六八八人にものぼっています(三月二五日現在)。

 原発事故による避難指示区域は、いまなお一一〇〇平方キロメートルにおよび、東京二三区の面積の約一・八倍、東京都や神奈川県の面積のほぼ半分にも相当します。

 故郷に帰還できず、先の見えない避難が長期化するなかで、被害はなお拡大しつづけています。

 事故の収束と福島の復興にこそ、いよいよ全力を集中しなければいけないときです。


□新たなスタートとなった3・9大統一行動  

 三月九日に開かれた「3・9 NO NUKES DAY 原発ゼロ☆大統一行動」は、のべ三万二〇〇〇人が参加して大きな成功を収めました。日比谷野外音楽堂集会、国会請願デモ・国会包囲行動、国会正門前集会の三カ所で連続的におこなわれ、それぞれ活気ある、三年目の節目に新たなスタートを切る決意みなぎるものとなりました。国会正門前集会では、日本共産党の志位和夫委員長、吉良よし子参院議員と私もスピーチしました。

 今回の統一行動は、原発をなくす全国連絡会、首都圏反原発連合(反原連)、さようなら原発1000万人アクションの三者の呼びかけにこたえるもので、前回の10・13統一行動からさらに共同が前進する形でおこなわれました。全国各地でも呼応して、「NO NUKES WEEK」として一六〇カ所以上で集会、デモがとりくまれました。

 いまや原発の「再稼働反対」、「原発ゼロ」を求める国民の声は、揺るぎないものになっています。たとえば、「朝日」の世論調査(三月一五、一六日実施)によれば、再稼働反対が五九%、「脱原発」賛成が七七%、原発大事故が起きる不安を感じる人は八六%にもなっています。どの世論調査をみても、国民多数が、事故を二度とおこしてはならないという強い思いのうえに、「原発ゼロの日本」へ踏み出すことをもとめているのです。

□「原発回帰」は、国民世論への重大な挑戦  

 ところが、安倍政権は、この国民世論に真っ向から挑戦して、「原発回帰」へと逆戻りし、原発の再稼働と輸出に執念を燃やしています。安倍晋三首相は、今通常国会の冒頭、一月二四日の施政方針演説で、「これまでのエネルギー戦略をゼロベースで見直し、責任あるエネルギー政策を構築」するとして、「原発ゼロ」を投げ捨て、「原発回帰」を明言しました。

 これに先立つ年頭の記者会見では、再稼働の判断に「集中する」とのべ、「世界一厳しい安全基準を満たせば」再稼働をすすめるという姿勢を露骨に示しました。さらに原発輸出のために、トルコ、UAE(アラブ首長国連合)との原子力協定承認を「今国会の最優先課題」とまでいい、ブラジル、南アフリカ、メキシコ、インド、サウジアラビアなどとの原子力協定を急ぐことも表明しています。岸田文雄外相も、「トップセールスを含め、日本企業の海外展開支援をいっそう強力にすすめます」とのべています。

 安倍政権が、そのために閣議決定を急ぐのが、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、原発推進政策に舵をきろうという「エネルギー基本計画」です。そこには、3・9大統一行動のスピーチで志位委員長がずばり指摘したように、三つの大問題があります。